光村2年「思いをつたえる手紙を書こう」①
お手本をちょっと変えれば満点
一年間、同じクラスで一緒に生活してきた友達のいいところを思い出し、見つけて、メモをする。それをもとに、短いお手紙を書いて渡そう、という学習になっている。
初任者はこの通りにやろうとする。すると手紙をもらえない子が出てくるので、不満が生じる。それこそ「お手紙」に出てくる「がまくん」と同じ気分を味わう子が出てきてしまう。現場に出て少し経験を積んだ先生ならすぐに分かる。そんなことすら分からないのだから教科書を書いている大学の先生は、現場のことを何も分かっちゃいない、と言われてもしかたない。
そこでどうすればいいのかというと、この動画にあるように、教科書にある「メモ」や「お手紙」を拡大コピーして、薄字印刷モードで印刷してやる。これが「お手本」になる。それをなぞらせる。そのあと、自分が手紙を出したい相手にあわせて、なぞったメモを直させる。
これを「教科書を見て書きなさい。」とやった瞬間、「わかんなーい」と言ってキョロキョロし始める子、固まって最後まで何もしない子が出てくる。
「お手本をなぞらせる」
たったこれだけのことができるかできないか?なぞることなら、どんなに低位の子でもできる。腕のない教師は、教科書にお手本が書いてあるから、それを見て書ける優秀な子供だったから、子どもたちもできるだろうと思って言う。だから素人、初任者だと言われてしまう。
やらない子、何もしない子が目の前に何人もいるのに、「ほら、どうしたの?これ見てまねしなさい。」としか言わない。どれを見て、どのようにまねをすればいいのかを分かるように指示したり、お手本を書いて見せたりすれば少し分かるのだが、そういう子が何人もいるからぐるぐる回って個別指導を始める。
個別指導を始めてしばらくすると「先生、終わりました。見て下さい。」と持ってくる子が出てくる。「そこ(教卓)に置いといて。」「分かりました。」「何していればいいんですか。」「本でも読んでなさい。」「お絵かきはダメですか。」「いいですよ。自分の席でできることをしていなさい。」「折り紙はいいですか。」「iPadはいいですか。」
どんどんうるさくなる。初任者の授業というのは、大体こういうようなものだ。どんどん教室中がうるさくなり、立ち歩きが増え、何もしない子がそのままで放置されていく。
早いうちに手を打っておく
こうならないように、年間通して4月とか5月など、最初の時期に「お手本をなぞらせる」というような手を打っておけば、3月に扱うこの教材は「もう、今までに何度も書いてきたから、もうどうすればいいか分かるよね?」「教科書にお手本のメモが書いてあるね。指で押さえて。」「それをなぞる。」「なぞったとして、次は?」「ちょっと変える。自分の出したい人に合わせて変える。友達だけじゃなくていい。おうちの人でもいい。お世話になった先生でもいい。」
こんな具合で、十分もかからないでノートにメモを書き、下書きをし始める子もいる。それでもなかなか手が進まない子には、お手本をなぞらせる。
ADHD傾向で学力低位の子は、そもそもじっとしていることが苦手なので、作業を入れてやる。体を動かしてやる。一番いけないことは、何もしないこと。させないことだ。
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