9割以上習得させる漢字指導

2023年3月26日

漢字指導の技術

大学を出たばかりの初任者が最初につまづくのは国語の授業だ。

大学では何の技術も教えてくれない。そのまま現場の荒海に放り出されたらどうなるか?溺れるしかない。

国語の授業は毎日ある。低学年だと1日2時間やる日もある。一番授業数の多い教科なのだが、そのやり方が分からないとほんとに困ってしまう。

だが「音読」と「漢字指導」ができればなんとかなる。

漢字指導の際、最も重要なのが「どの教材で指導するか?」という点だ。

数打ちゃ当たるか?

漢字指導にはいろいろなやり方がある。

最も古典的なのは、筆順を指導したら、漢字練習帳に1行ずつ書かせて覚えさせるやり方。

ところが子どもたちは、たとえば「新」という漢字を練習する時、「立」をマス目の左側に十個書いて、その下に「木」を十個付け足し、マスの右側に「斤」だけ十個書くということをやり始める。住宅のプレハブ工法のようなこの覚え方だと、一、二、三と画数を唱えなくても漢字を書く事ができる。

だがこのやり方では、漢字学習で最も大事な「画数を覚える」というポイントを外した「意味のない作業」学習になってしまっている。

なぞって覚えられれば苦労はしない

あるスキルは、お手本の薄い文字を2回なぞり、次の2つの空欄にまねして書かせ、仕上げにもう一度お手本をなぞり、最後の空欄にまねして書かせる。

「5〜6回書いたら覚えられるでしょ?」という考え方で作られている。

優秀な子はそれくらいの回数やればできるだろう。

だが、学力低位の子の中には何度も何度も書かないと覚えられない子がいる。しかし鉛筆を持って何回も書いていると指が痛くなり、疲れ、鉛筆を握る力も落ち、集中も欠け、文字も乱雑になり、途中で放り出す子も出てくる。

これは「鉛筆で書かせるから」そうなってしまうわけだ。

そして「立立立…木木木…斤斤斤」のような画数を覚える事とは無縁な事を子どもたちはし始めるわけだ。

使うのは「指だけ」

漢字指導で最も大切なのは、鉛筆を持たず、「指だけで筆順を覚える」事だ。

10画の字であれば、「1,2,3…9,10」と唱えていって、最後が「10」で終わらなければ、間違って覚えている=「字の形が違う」という事になる。

「画数を覚える」=「漢字を覚えている」

筆順を覚える時は鉛筆を持たせない。代わりに机の上で何度も何度も「指書き」をさせる。

最後の画数がドリルに書かれている画数と一致すれば覚えた事になる。

あとは、念のため2回書く。

まずは薄く印刷されている文字を丁寧に、はみ出さないようになぞる(「なぞり書き」)事で、「とめ」「はね」「はらい」などをする場所を確かめる。

最後は何も書いてないマス目に、なぞった文字とそっくりそのまま写したように書く(「写し書き」)。

初任者を救う「あかねこ漢字スキル」

「あかねこ漢字スキル」はこうした指導法を「ユースウェア」としてシステム化し、明示している。快適・最速で漢字を習得できるように作られた「漢字習得最強システム」だ。

問題があるとすれば、初任者は伴氏のように最初から子どもたちに、うまく漢字指導のやり方を説明できない。

ところが、あかねこ漢字スキルには「ユースウェア」という取扱説明書および、使い方を分かりやすく解説した指導動画がアップされている。しかも教室でそのまま子どもたちに見せても大丈夫なように作られている。

この動画を見せながら説明すれば、学年揃ってどのクラスも同じように漢字指導ができる。

ある程度使い方が分かるようになってくると、動画を見せる必要もなくなってくるが、最初は動画を見せ、後に少し補足説明してやれば、「先生、早く使いたい!」と主体的に漢字学習に取り組むようになる事はまちがいない。

初任者が一番苦しむ国語の授業も、音読と漢字の指導が安定してできれば怖くない。

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