成績処理は「技術」の問題
夏休み中に通知表の下書きを終わらせたい(^_^;)
「通知表の所見の下書きを書いておくといいよ。できたら見せてね。」
指導教員からこのように言われて、(やってみようか…)と書き始めてみる。
名簿を見ながら書こうとしてみる。ところが全く書けない。一文字も書けない。
(普段から子どもを見ていないからだな…ちゃんと記録をつけないといけないなぁ…)
反省ばかりしているうちにやる気が失せ、気が付くと夏休みの終わりが近づいてくる。宿題で苦しんだ小さい頃の夏休みの記憶がフラッシュバックしてくる。
通知表作りは「技術」の問題
成績処理や所見を書くのにかかる時間は個人差がある。初任者は手探りの中でやる。ベテランの何倍もの時間が必要になる。ベテランであっても、家に持ち帰ってやらないと締め切りに間に合わない人も大勢いる。
「技術の問題」と伴氏は言う。
技術を身に付ければ、放課後2〜3回で仕上がってしまう。
「うそでしょ?」
でも、伴氏の話を聞くと「なるほど」と思うようになる。
「授業の百科事典」や「QAライブ」などから検索をかけてもらえば、ヒントとなる動画がヒットするので、それを視聴するとおおよそのことが分かってくる。手っ取り早く知りたい方は、伴一孝授業研究物サイトからも入手できる。
技術を使いこなす大前提の技術とは
長期の休みを使い、技術を一つでも多く身に付けてほしい。それがあなたの教師人生を豊かにしていく。成績処理に関しては、技術を使いこなす上で必要となる「大前提の技術」がある。
「主語・述語が対応する『簡潔』な文を綴ることができる」
この技術がないとお話にならない。
通知表を書き終わり、管理職に提出する前には、事前に学年で読み合わせをすることが多い。それぞれが書いた下書きを分け、読み合い、誤字・脱字や意味が伝わらない文章に付箋や赤ペン等を入れて返却する。
これを一度経験すると「何を言いたいの?」という文を次々と目にすることが多いことに驚くだろう。普段から文章を書き慣れていない証拠でもある。
昔は先生と言えば「知」の象徴として崇められていた時代があったが、今は「痴」「恥」という文字を当ててしまいたいような文しか書けない先生がほんとうに増えている。ましてや昨今の教員採用試験の低倍率を見れば、そのレベルはこの先も下がり続けていくことになるのはまちがいない。
「文章作法」に関するお勧め本
文章作成に関する本は数多く出ているが、その中でも超お勧めな1冊。
「理科系の作文技術」(木下 是雄 中公新書)
「事実と意見に分けて文を書く」とはこういうことなのか、と目から鱗が落ちる。
まずはこの1冊を読んでから
「日本語の作文技術」(本多勝一 朝日文庫)
「日本語表記ルールブック」(日本エディタースクール出版部)
などに目を通しておけば、主語ー述語がねじれ、過剰な修飾語の文がいかに意味不明であるのか理解できるようになる。
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