それでも「宿題を出してくれ」と言われたら…
学習指導要領と「宿題」
実は学習指導要領には「宿題」についての記載は1カ所。
「特に、低・中学年において学習習慣を確立することは極めて重要であり、家庭との連携を図りながら、宿題や予習・復習など家庭での学習課題を適切に課すなど家庭学習も視野に入れた指導を行う必要がある。」
という文言が「総則・解説編」に記されている。
学習習慣は「家庭」の責任
家庭での学習習慣を付けることはもちろん重要であるが、その主たる責任は「家庭」が負う。(教育基本法第十条「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた 発達を図るよう努めるものとする。」)
ここをまちがってはいけない。学校は「家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない」という努力義務が課せられているが、第一義的責任は家庭が有している。子どもが過ごす場所と時間が異なるわけだから、すべての責任を学校の方に押しつけられても困る。
「説明」はするが「説得」はしない
もちろん「宿題を出して下さい」とお願いされれば協力はするが、何も好き好んでこちらから出す必要もない。ましてや一律に出すなんて事は、自分の首を絞めることになる。それならば子どもと遊んでいる方がどの子にとっても教育的である。
このあたりをきちんと説明すれば、保護者から「一律に」出さないと困る、という要求は出るはずがない。
ただし「説得」はしない。説得は難しい。なぜなら、あいては「宿題は出してほしい」「宿題は学校で出すものだ」とかなりの期間、ずっとそう思ってきたーそれが常識ーと思っているからだ。
このあたりは、昭和頭の学年主任も同じだ。いくらきちんと説明し、「私のクラスはやりません」「保護者も納得しています」と言っても納得してくれない。
そういう場合は、どうするか?
「諦める」ーこれが一番無難だ。ただし代償は覚悟しなければいけない。
「うーん…こまったなぁ…どうしても出さないとだめなんですか…余裕がなくなるとミスが多くなっていくんですよね…お母さんも(先生も)そうでしょ?子どもたちに迷惑かけたくないしなぁ…」
困ったときの話し方
言うべきことは言う。そうしないと変わる可能性はゼロだ。
こういう時の技術ーこちらから「うん」と言わない。
相手に結論を言わせる。
そうすれば、不都合が起こった場合の責任は相手にある。
かなりずるいが、そういう手もあるので知っておいて損はない。
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