道徳授業の定石化「ぼくは「のび太」でした」(東書2年)希望と勇気、努力と強い意志

2025年1月7日

どうします?この教材…

道徳教科書教材には、
「これ、どうやって授業するの?」
と言いたくなるものがある。

例えば今回の教材。ドラえもんで有名な藤子F・不二雄氏のマンガ家人生を取り上げた話。4ページの内、1ページ目は藤子氏とドラえもんが半分を占め、文章は3文。2〜3ページ目はまんがと写真が半分を占め、文は9文。4ページ目はドラえもんとのび太のイラストで埋められている。とにかく文章記述が少ない。読むだけではあっという間におわり、何が何だか分からない授業になりかねない。

そこで、「クイズ形式」で発問を作り、子どもとのやり取りを増やすことで、文章に書かれてない部分を補いつつ、丁寧に読み取るようにする。

あらすじ

藤子・F・不二雄先生は、子供の頃からマンガを書くのが大好きで、あこがれの手塚治虫先生の本を一ヶ月も描き写したこともあった。高校を出てから手塚先生に会いに行くと、マンガ家になるのは○○○○だと思うようになった。その後、ずっとマンガを描いてきた藤子先生は、子どもの頃「のび太」のように不器用なぼくがマンガをかき続けてきたのは、やはり◯◯◯◯なこと」と言っている。

定石①「登場人物」「セリフ」「したこと」の確定

「登場人物」 藤子先生(赤丸囲み) 手塚先生(青丸囲み)

「セリフ」 藤子先生

※登場回数やセリフ、記述の多さから藤子先生が「中心人物」であることはすぐ分かる。

発問1「藤子先生がしてきたことは?丸の中、三文字」 「◯◯◯→(まんが)」をかく

発問2「子どもの頃は、まんがを描くことが…」
イ「大◯◯→(すき)」で、
ロ「◯◯ばった→(がん)ばった」

発問3「高校卒業の頃は、まんがを描くことを…」
ハ「◯◯◯→(しごと)にする」のは、
二「◯◯◯◯→(たいへん)だ」と思った。

発問4「今は、まんがを描き◯◯◯◯→(つづける)」のは、たいへん」

発問5「なぜたいへんなのですか?」

今ものび太のように
ホ「◯◯◯◯→(ぶきよう)」で
へ「◯◯◯→(おそい)」

黄色マーカーを付けた言葉にイ〜へまでナンバリングする。

定石②中心人物の変換点の検討

「藤子先生の考えが変わったところはどこか」

→ハ まんがを描く仕事はたいへんだなぁ。

「まんがを描くことはたいへんだ、と思ったのか?」→違う。

「今は、描くことは大変と思っているのか?」→描き続けることがたいへん。

定石③今の自分、未来の自分を選ぶ

「マンガ家を続けられた理由がわかる言葉はどれか?」→イ 大好き

「何かを頑張って長く続けている人の事を知ってたり、聞いたりしたことがないか。」

「頑張っていることを続けていくために、これからの自分はどのような考えをしていきたいか」

まとめ

例によって、教材末尾の余白に自分の考えたことを「わ・き・お」形式で書かせ提出させる。教師の講話のバリエーションを増やす方法として、「好きこそ物の上手なれ」など「ことわざ」を紹介して終わるのもいいかもしれない。

道徳の定石化「さるへいと立てふだ」はこちら。

道徳授業の定石化「七つのほし」はこちらから。

道徳授業の定石化「①登場人物の確定」「②変換点の検討」「③今と未来の選択」についてはこちらから。

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