道徳授業の定石化「しあわせの王子」(教出2年)感動、畏敬の念 〔心の美しさ〕

「感動、畏敬の念」は感動の押し付け?

「しあわせの王子」も「感動・畏敬の念」を扱う。
名作と言えば名作なのだろう。とはいえ、押しつけがましさは拭えない。それは「作り話だから」では片付けられない。作り話とは言え、度が過ぎている。
「あり得ないでしょ?こんなお涙頂戴っていう話」
「七つのほし」以上に扱いづらい。
わざとらしさが気にならないよう、定石発問でさらりと扱う。

あらすじ

「しあわせの王子」と呼ばれる像の足下に、南の国に帰る一羽のツバメが止まっていた。像は全身が金で包まれ、目や刀は宝石で飾られ、光っていた。ツバメが休んでいると、冷たいものが落ちてきて、王子が泣いているのが分かった。ツバメが王子に理由を聞くと、町の人々が貧しく苦しんでいるのを見て、涙が止まらないので、体に付いている宝石や金をはがして届けてほしいと頼まれた。毎日、王子に頼まれた所に宝石や金を届けているうちに、冬になり、寒さでツバメは疲れて死んでしまった。

定石①「登場人物」「セリフ」「したこと」の確定

「登場人物」 しあわせの王子(赤丸囲み) つばめ(青丸囲み) 気の毒な親子 わかもの マッチ売りの女の子 まずしい子どもたち てんし

「セリフ」は①〜⑤ ①つばめ ②王子 ③王子 ④つばめ ⑤つばめ

※登場回数やセリフ、題名から「しあわせの王子」が「中心人物」

王子が「したこと」の確認

穴埋め形式。パワポで提示(※板書でも構わない)しながら、テンポ良く「したこと」を確認。

①王子のからだ◯(→金)で包まれ、目や刀は◯◯◯◯(→ほうせき)でかざられている。

②ルビーやサファイヤ、からだの金などを◯◯◯◯(→まずしい)人に「◯◯◯◯(→とどけて)おくれ」

③◯◯◯(→つばめ)は王子の手助け→南の国へ◯◯◯◯◯(→かえれなく)なった。

④さむい冬になり、つばめは◯◯◯(→いきる)力をなくしていた

→てんしが二人の◯◯◯(→こころ)をだいて、空に上っていった。

定石②中心人物の変換点の検討

発問1「王子の考えが変わったのは、どこからか。」→町の人々のまずしいくらしを見て

発問1「つばめの考えが変わったのは、どこからか。」→サファイヤを届けてから

発問2「今の自分は、(王子のために命をかけた)つばめのような考え方ができるか。」

発問3「『A かざりがある時の王子 B かざりがない時の王子』A、Bの違いは何か。」

→A「◯◯◯(※見た目)が美しい」 B「◯◯◯(※こころ)が美しい」

定石③今の自分、未来の自分を選ぶ

「今の自分は、A、B、どちらを大事にしているか。」

「これからの自分は、どちらを大事にしたいか。」

「生活の中で、美しい話だと思ったり感じたり、見聞きしたことはないか。」

まとめ

話が話だけに、授業の最後は「美しい行い」だと教師が感じた話や「感動」したエピソードを紹介したい。

例えば、プロ野球選手の話。ジョー・ディマジオの名言

「いつも初めてまたは最後に私を見るかもしれない子供がいるから、私は最善を尽くす義務がある。」

「お天道様は見ている」(ことわざ)

名言や格言、ことわざは、道徳の講話に悩んだ時に役に立つ。

道徳の定石化「七つのほし」(東書2年)はこちらから。

道徳授業の定石化「①登場人物の確定」「②変換点の検討」「③今と未来の選択」についてはこちらから。

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