道徳授業の定石化 「夜空〜光の旅」(教出6年)登場人物が出てこない資料での定石発問を考える。

2025年2月11日

登場人物がいなければ、出てきた物の確認をする。

「冬の星空に瞬くたくさんの星と星座の中でひときわ明るく輝くシリウス。光は1秒間に地球を七回転半進むほどの速さ。それが9年という長い『光の旅』の末に届いたもの。だがシリウスは地球からはとても近い星と言える。たとえば北極星からの光は、豊臣秀吉が活躍していた430年前に発せられたものだが、それでも北極星は地球に近い星と言える。望遠鏡を通して見ることができるかみのけ座のM100は、5300万年前に光ったもの。最も遠いところにある天体は300億光年以上離れている。すでに星としての寿命が尽きて消滅したために、今はその光だけ見ることができるという星もある。138億年前に生まれ、ものすごい速さで膨らみ続けている宇宙。もし今夜、空に星が出ているのをゆっくり見る機会があったなら、あなたは何を思う?」と問いかける教材。

教科書会社のHPには、保護者にアンケートを事前に配布し、冬の星空を一緒に観察し、感想を寄せてほしい、という依頼文まで載っている。それに協力してくれる家はまだしも、それを期待しても応じてもらえない家庭もある。

ならば本文を読み、関連した動画サイトを見せ、何人かに感想を言わせて終わりでもいいんじゃないかという気もするが、これを定石展開と発問で構成してみる。

道徳授業定石展開1⃣ 「登場人物」「会話文」「人物評価」の確定

この資料には、「登場人物」も「会話文」も出てこない。
発問1 誰がだめか?
発問2 誰に問題があるか?
という定石発問はこのまま使えない。

そこで「登場人物」の代わりに「登場する物」を「夜空」の本文から書き出していく。

発問1 話に出てきた物を確かめます。最初は①シリウス。次は?

挙手指名で発表した子に、黒板に縦書きで書かせていく。以下、次のようなものが出てくる。

①「シリウス」②「ペテルギウス」③「プロキオン」④「北極星」⑤「うずまき銀河M100」⑥「I銀河団」

定石展開2⃣ 変換点の検討

発問2 どこから話が変わっていきますか。→「北極星」 数年前の光が400年前、豊臣秀吉が生きていた時代に発せられた光の話になる。1光年でもかなり離れているのに、400光年の距離でも地球からは「近い」という話。

発問3 その後は、どう変わりますか。→五千万年、一億年、三百億年前の光の話。

定石展開3⃣ 自分に返す

発問4 12歳の今の自分は、どの星の話になるか。→シリウス。

発問5   これからの自分は、どの星になりたいか。

発問6 筆者と似たようなことを思ったり考えたりしたことはないか?

子どもたちの話に耳を傾け、語らせたい。

でなければ、講話へと繋げていく。構えて話さなくていい。
「星空をながめているうちに、その美しさに感動したり、悩んでいたことがちっぽけでくだらなかったことに気づき、先に進んでいくことができた」というような話をしてやるのもいいかもしれない。星空でなくても、朝焼けや夕焼けなどの美しさに触れ、教師の素直な思いや感想を語れば十分だろう。

「モデリング・ナンバリング・ネーミング」誰でもできる討論授業2はこちらから

道徳授業の定石化「日曜日のバーベキュー」授業を安定させる定石展開、定石発問を考える。ついてはこちら

最新版【授業の百科事典】リンク集データの入手は【ヨッシー’s STORE】へ