道徳授業の定石化 ナンバリング発問「セリフ」にするか「人物」にするか?

2025年3月23日

ナンバリング発問「セリフ」にするか「人物」にするか?

道徳授業の定石化 定石発問の基本は「ナンバリング」と「ネーミング」の技術にあり!で、

「セリフ」「人物」のどちらにナンバリングするかは、「物語の内容による」と述べた。

例えば「いっしょにあそぼう」(1年教出 友情・信頼)は、「セリフ」にナンバリングしている。言葉のやり取りの行き違いでトラブルが起こったという教材なので、「セリフ」にナンバリングし、どのセリフが問題なのか考えさせるという授業展開を中心としている。

仮に、わたし、ゆきちゃん、はるかちゃんの3名の中から「誰が一番いいですか?」「一番ダメなのは誰ですか?」と聞いたとしても、誰が良くて誰がダメだと答えようがない。この3人の中で「なかまはずれ」にしようとしている子はいない。悪い子はいないから、聞かれても戸惑うだけだ。そうしたことは、授業をやってみれば分かる。反応が鈍いなら、「セリフ」について問うというように、方向転換(技術の出し入れ)をすればいい。

「日曜日のバーベキュー」(3年東書 規則の尊重)は、「人物」にナンバリングした上で、「誰が一番悪いか」と問う。一番悪いのは、登場人物として物語の中には出てこない「自転車にゴミを捨てた人」だとか「立てふだを無視してゴミを捨てた人」であることを浮かび上がらせることが、道徳授業を建前だけの上っ面な授業にしないためのポイントであることと伴氏は指摘している。一番悪い「出てこない人物」のセリフは書かれていないので、セリフにナンバリングして考えさせても意味がない。

「セリフか人物か」見極めがつかないことが多いだろうから、登場人物はA,B,C。セリフは①②③というふうに決めて、両方ナンバリングすればいい。ナンバリングは、授業をくっきり分かりやすくするための下ごしらえだ。使う使わないは別にして、毎回両方やっておけばいい。

ナンバリング作業をしているうちに「人物」?「セリフ」?どちらで問えばいいのか考える。
それでも分からなかったら、両方について問えばいい。一つの発問で10分程度、意見が出てくれば十分だ。そしてそれくらいの授業時間はあるはずだ。

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