夏休み「ポイ活」しながら考える。「税金は日本円を流通させるための手段」

2025年8月11日

税金を使って再分配しているわけではない

以前のブログで、次のように書いた。
「消費税が下がれば消費者の購買意欲が向上するので、経済活動が活発化。発行した国債額以上の税収増も期待でき、増えた分を低所得の人たちに手厚く再分配するなどすれば、四方丸く収まる。」

ところが調べていくにつれ「この考えはまちがっている」らしいことがわかってきた。さて、どこがまちがっているというのか?番号を付けて考えてみることにする。

①消費税が下がれば消費者の購買意欲が向上するので、経済活動が活発化。

②発行した国債額以上の税収増も期待できる。

③増えた分を低所得の人たちに手厚く再分配する。

①②は予想であり、実際にやってみなければ分からないが、まちがいとまで言えない。

まちがっているのは③。
「増えた分」とは、税金等を回収した後に残った「決算剰余金」のことだ。
令和5年度の場合、決算剰余金は2.2兆円。その半分は財政法により国債償還に充て、残り1.1兆円は防衛力強化などの財源に充てるという記事が2025年7月2日の新聞に掲載されていた。
防衛力強化などの財源に充てるかどうかということは、来年度の予算請求で決定するまでわからない。つまり読売新聞の記事は「1.1兆円余ったから、足りないから増税されると言われている防衛費増額の財源に充てられますよ」という新聞社の考えを書いているだけなのだ。ところが国民は、「ああ、余った税金は他の所に使うんだな。それよりも生活に苦しむ低所得の人に配ってあげればいいのに…」などと思ってしまう。

税金は、何かの財源にしなくていい。

そもそも「税金」というものは、それを集めて何かの財源に充てるために徴収しているのではなく、日本国民に課している「納税の義務」を「日本銀行券」で納めさせることにより、日本銀行券を日本国政府の通貨として機能させるために行っているという。
また徴収した税金の使い途に制限はない。国債償還に充ててもいいし、「防衛力強化の財源」にしてもいい。

仮に1.1兆円の剰余金を国債償還に充てた場合、通貨供給量が減ることになる。量が減れば円の価値が上がるので円高になる。円価値が上がったお金は、使わずに持っていた方が得になるので、お金を使わなくなる。すると物が売れなくなる。そこで価格を下げて売ると利益が減り、賃金が下がって失業者も増え、景気が悪くなると言う悪循環(デフレスパイラル)に填まっていく。

となれば、余剰金は国債償還などに充てずに来年度予算に繰り入れて使うのが正解だと思うが、それを防衛費に使うか減税して国民に還元するか、消費税を下げる減資とするのかについては国会で決定する。

それにしても
「税金は、何かに使うために集めるのではなく、国の発行した通貨を使ってもらうために集めていた。
とは。まったく知りませんでした。

夏休み「ポイ活」しながら考える。「スペンディング・ファースト」「タックス・セカンド」はこちらから。

最新版【授業の百科事典】リンク集データの入手は【ヨッシー’s STORE】へ