夏休み「ポイ活」しながら考える。「スペンディング・ファースト」「タックス・セカンド」

2025年8月12日

モズラーの名刺

「スペンディング・ファースト」「タックス・セカンド」という言葉は、どこかで聞いたことがあるような気もするが、正直あまり意識して生活してこなかった。それだけ「税」に無頓着だったと言うことだが、これではいけない。ポイ活で取り返すことができないくらいのお金を知らないうちに取られていたわけだから、これからは一層気をつけて見ていかなければいけない。

さて「スペンディング・ファースト」「タックス・セカンド」について小学生にも理解できるように作られたのが「モズラーの名刺」という話だ。
きみのお金は誰のため: ボスが教えてくれた「お金の謎」と「社会のしくみ」」(田内 学著)」という本もこれを踏まえて書かれている。これもかなり面白い本だ。

次の動画なら20分6秒あたりから詳しく解説されている。(時間があれば最初から視聴をおすすめする)

財政法4条をなんとかしなければならない

税が「通貨を使わせるため」だと分かれば、世の中の経済活動がよく分かるようになる。

国が「100億円分の国債を発行」する。それを使って道路を整備したり、公務員を雇って住民サービスをしてもらうための給料に使う。すると100億円分の日本円が流通し、スムーズな経済活動が行われるようになったとしよう。

その結果、税金として「50億円」戻ってきたとする。あまりにも多く税金として取り過ぎたので、「40億円」は「税金を取り過ぎたので来年は減税しますよ」と国民に返すことにし、残りの10億円は手垢の汚れや破れでみっともないので廃棄(償還)し、10億円分の国債を発行して新札にする。
また、最初に「100億円」発行したら半分の50億戻ってきたのだから、さらに100億円分発行して学校を建てたり、先生を雇ったりしよう。すると減税した効果も加わって、80億円税収が増えた。ならば…。

ここまでに国債発行残高は最初の100億円。追加で100億円。10億円分は償還したけれど再発行したのでプラスマイナス0。よって合計200億円。国内には同じ額の日本円が流通していることなる。

だが「200億円は政府の借金だから100億円に減らそう!」と考え、「増税」して回収しようとするとどうなるか?

100億円が政府に回収されると、その分の国債は減る。残りの100億円は国内に流通するが、量が減れば円の価格は上がって急激な円高となり、物価は下がる。前述のような「デフレ」の世の中になる。

国債発行で減税してはいけないのか?

①通貨流通量を増やせば物価が上がるのでインフレ。減らせばデフレ。
②新規国債発行すれば通貨供給量が増えるのでインフレ。減らせばデフレ。
③金利を下げれば資金需要が増えるのでインフレ。上げればデフレ。
④減税すれば可処分所得が増えて通貨流通量も増えるのでインフレ。増税すればデフレ。

デフレになると物価は下がっても経済が縮小し、豊かにならない。実際この30年はそうだった。
今の日本はようやくデフレから脱却し、2〜4%のインフレになって来た。

ところが日銀金融政策決定会合に出ているお偉いさん方は金利を上げたくてしょうがないらしい。なぜ今、金利を上げるのか?金利収入が増えて喜ぶのは銀行。

国債を大量発行する異次元の金融緩和により「デフレ脱却」を試みたアベノミクス。円高から円安に進み、輸出企業は過去最高益。その恩恵が全体に行き渡る前に、輸入品の価格が上昇し、コストプッシュ型インフレによる物価高に襲われている。

日本の現状は②。国債を大量発行して通貨供給量が増え、インフレになっている。通貨供給量を減らせばインフレを抑えられるから、日銀金融政策委員の方々は金利を上げようとしているのだろう。金利を上げれば円高になり、多少はコストダウンする。だが輸出企業が内部留保してきたお金はまだ全体に回っていない。金利を上げたらあっという間にデフレに逆戻りする可能性が高いように思える。だから下手に金利は触れない。

④の「減税」はどうか?購買意欲は上がるが、コストプッシュ型インフレで上がった物価上昇がさらに加速しかねない。もちろん「増税」はあり得ない。ちなみに減税した分に充てる財源は「新規国債」で賄うとすれば、その規模が問題になる。とはいえ、2兆円程度なら税収の上振れ分や特別会計の外為特会1兆円を充てれば大丈夫と言う専門家もいる。

どんな手を打てば国民生活がよくなるのか。財務省の口車に乗らず、国民の幸せを最優先して政策を立案できる人が国の舵取り役を務めるべきではなかろうか?

「金利上昇」+「増税」+「国債償却」政策を進める人たちが国益を損ねてきた。それを見抜き始めている国民が増えてきているのだから。

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