図工は技法を教える。「やってみたい」と思わせるから楽しくなる。「読書感想画」の描かせ方

2025年10月18日

読書感想画の描き方

読書感想画の季節。どうやって描かせるのか悩む。

今回は2025年の低学年の指定図書「あいたくてたまらない:ももいろの貝とやどかりぼうやのお話」を取り上げる。

本を読み聞かせた後、

1 主題を20字程度にまとめる。

2 下描きをトリミングする。

3 画用紙を作る。

4 図鑑で調べる。

5 色を楽しむ。

https://land.toss-online.com/lesson/aaggra55ki7mmrhc#google_vignetteを参照)

このように指導するとして、1は「そうたがおじいちゃんにもらったももいろの貝を海に返しに行く」と、教師主導でまとめる。こういうところに時間をかけない。

2も難しい。画用紙を縦にするか、横にするかですら相当悩む。3と5もよく分からない。

一人一人違う場面を描くことになると、収拾が付かなくなる。

「このお話の一番盛り上がった場面って、どこ?」

「おわりの方だね。そこをみんなで描きましょう。」

このお話の場合、そうたが海に入っていく場面で終わっているので、描く場面を絞るやり方もあるだろう。

いずれにせよ、「海」がテーマの話なので、絵には「海」が出てくる。しかも今回は「海中」の場面が思い浮かぶ。

下絵を描かせると、そうたがいて、ももいろ貝がいて、ヤドカリ坊やがいて、海の中の生き物が出てくる感じになる。

それらをクレヨンやペンで描き、色を付けた後、バックの処理は水色の筆で仕上げれば、4時間程度でそれなりに仕上がる。バックをクレヨンで処理するのももちろんありだが、画面が横に広がり、平板な感じになる。

そこで今回紹介するのは次の動画。参照URL「文画絵画教室」https://www.youtube.com/@MONGABOU

子どもたちから「うわぁ。きれい〜!」「本物みたい。」「やりたい。」と歓声が上がる。

技法としてもそう難しくない。何よりも、絵に広がりと立体感が出てくる。

この動画を見せた上で、

「海の中をこんなふうにしたいなら、そうた、ももいろ貝、やどかり坊やと、周りの様子をどの辺に描きたいですか?」

と問いかけ、

「クレヨンで描いていって、最後は白いところをまねして色を付けていけば、こんな感じに描けますよ。」

と話してやると、描く意欲が高まる子が少なからずいる。

この動画は画用紙を縦に使っているが、横にしたバージョンも少し見せてやるといいかもしれない。

また、この話を絵にしようとする際、「やどかり」や「海中の様子」の画像も必要になってくるだろう。

一人一台端末で検索させるよりも、予め教師が用意した画像を子どもたちの端末に送信しておくなどの準備もした上で描かせると、集中して描く時間を長く確保できるだろう。

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