「だるま浮き」の補助は水着を○○○。

「だるま浮き」の前にやること

若い先生なら、この動画を見て「だるま浮き」をさせようと必死になって指導するかも知れない。
おそらくうまくいかない。

「なんだ、できないじゃないか!」

それはこの動画が悪いのではなく、指導者の腕がないからだ。だるま浮きをさせる前にやることが、動画の最初に映っているスライドに書いてある。

「水に慣れる運動あそび」を十分に

これを十分にやらないで、だるま浮きをさせようとしても無理というものだ。もちろんスイミングスクールなどに通っていて浮けるようになっている子は簡単にできてしまう。

「水に慣れる運動あそび」の大前提は「顔に付いた水を手で拭わない」こと。

これは、ゾウさんじょうろなどで少量の水を頭の上からかけてやり、①目を開け、②手で顔を拭わないようにしてやることからスタートする。①②ができない子というのは、お風呂場で頭を洗う時、洗髪用キャップを付けて顔や耳に水が入らないように過保護に育てられていることも考えられる。

学校のプールサイドで水をかけてやるだけではできるようにならない可能性が高いので、家庭の協力を得られるようお便りを出し、水を頭の上からかけても手で顔を拭わないで済む練習を呼びかけておくことも必要だ。

「立ち方」の練習

コロナの影響でほとんど水遊びをしていない子どもたちに8時間(4回)扱いで「水に慣れる運動あそび」をするのであれば、3回は水慣れに充てる。

残り1回は「水の中から立ち上がる」練習から始める。
といっても、これは「水に慣れる運動あそび」の中で扱うことができる。

「手でウサギさんの耳(を作る)。手を上に」
「体を倒す」
「手(耳)が水に入ったら、水を掻いてジャンプ」

「水の中で苦しくなった時、こうすれば立てるから大丈夫だね!」
と教えてやり、数回、立つ練習をする。

そこまでやって初めて「だるま浮き」のファーストステップに進む。

水着をつまむ

都市部の多くの学校に設置されているプールは「泳げない子を泳がせる」ための設備になっていない。動画内で紹介されている学校は、大プールと小プールがある。

水深が浅くないと、水が怖い子は安心できない。可能なら、手でどこかを掴めば水面から顔が出せるような場所で練習させたい。同時に補助する教師は、子どもの体(水着)のどこかに触れて(つまんで)いるようにしておく事が「安心感」を持たせるための重要ポイントだ。

だるま浮きの感覚は独特だ。おしりがぷかりと持ち上がる。この感覚を陸上で味わわせることは難しいが、床の上でヒザを曲げて手を組ませ、息をおなかにたくさん入れて止め、「5,6,7,8」くらいまで数えてやり、

「今は頭がひざより上だけど、水の中ではおしりだけがぷかっと上がってくる頭を上げたくなるのをぐっと我慢してると、背中が水の上にたくさん出てくる。背中をたくさん見えるようにするとOK!」

ここまで来れば、もう浮けたも同然。最初は体の上と下を支えて補助するが、おしりが浮き始めたら下からはもう補助しなくても水着の上から軽くつまむだけでぷかぷかと浮かぶようになっているはず。

その先は「クラゲ浮き」→「おばけ浮き」と進んでいく。

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