「成績集計シート」の集計方法、まちがっていませんか?「加重平均」で出さないと不公平

2025年9月20日

100点満点と50点満点「満点」の重みは同じか?

テストをし、点数を控え、平均点を出す。平均点が高い方から順に3段階評定する。AとBの区切り、BとCの区切りの点数で悩むかもしれない。とはいえ、平均点の分布を見れば、「点数の谷間」が見えてくる。それを見ながら「90点」以上はA、「50点」未満はCのように基準を決めて振り分ける。

そうやって一段落したところで、ふと疑問が沸いた。

「100点満点と50点満点。同じ満点でも、価値は同じなのか?」

A 100点満点のテストで100点。50点満点テストは50点。

B 100点満点のテストで100点。50点満点テストは40点。

C 100点満点のテストで90点。50点満点テストは50点。

Aは合計150点満点で150点。これはB、Cよりも上だ。

一方のBとC。合計点数はいずれも140点だが、差はないのか?

条件の違う数字の比べ方

このような場合、満点の点数が違うのだから、

(1)「50点満点の点数を100点満点に換算」して比べたらいいのではないか?と思いつく。

つまり、

B 50点満点の40点→100点満点で80点に換算 100点+80点=180点

C 50点満点の50点→100点満点で100点に換算 90点+100点=190点

合計するとCの合計点数が上だから「Cの方が成績が上」となる。

逆に、

(2)「100点満点の点数を50点満点に換算」してみると、

B 100点満点の100点→50点満点で50点に換算 50点+40点=90点

C 100点満点の90点→50点満点の45点に換算 45点+50点=95点

これもCの合計点数が上なので、「Cの方が成績上位」ということになる。

さて、これでいいのか?

(1)も(2)も、「満点点数」という「条件」が違うから、それを「揃えて」比較するという考え方は正しい。だが、「揃え方」がまちがっている。

(1)(2)は、100点満点、50点満点に換算する=「得点率」で比較している。

しかし100点満点の100点は、50点満点の50点と比べ、「倍の重み」がある。

「100m走と50m走」のタイムに例えるなら、

D 100m=10秒 50m=4.5秒

E 100m=9秒 50m=5秒

DとEの50mタイムを「100m換算」して合計を出すと、どちらも19秒。

Eは50mのタイムでは劣るが、100mのタイム「100m9秒」は50mのタイムよりも価値があり、重たい数字だ。

このように「重みの違う数字」を比べるためには、点数に得点の重み(比率、倍率)を掛け加えて計算して出した「加重平均」の考え方が必要になる。

加重平均の出し方

B 100点満点テスト=100点。50点満点テスト=40点。

素点×満点点数→100点×100点満点+40点×50点満点=12000

満点点数の合計→100+50=150

加重平均→12000÷150=80

 

C 100点満点テスト=90点。50点満点テスト=50点。

素点×満点点数→90点×100点満点+50点×50点満点=11500

満点点数の合計→100+50=150

加重平均→11500÷150≒76.7

 

「加重平均」を使えば、「50点満点の素点よりも100点満点での素点が重視される」という妥当な結論が導かれる。

エクセルでシートを作るなら、次のような表を作成して入力するといい。

氏名 配点 100 100 50 素点合計 素点×配点合計 配点合計 加重平均
E÷F
100 100 50 250 22500 250 90
100 100 40 240 22000 250 88
100 90 50 240 21500 250 86
100 90 40 230 21000 250 84
90 90 50 230 20500 250 82

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