家庭学習の仕方を教える

2023年7月22日

学習指導要領に書いてある事

家庭学習の習慣を形成する主体は「家庭」であることは学習指導要領にも記されている。ところがなかなかどうして、保護者が主体になって学習習慣を作っていく事は難しい。

「プリントでも出してもらえないと、うちの子は何もしないんですよ」

出したところで、自分の得意なところか分かっているところしかやらない。これではほとんど意味がない。

学校でやっていない事は家でもやらないものなのだ。

それでも「先生、どうしたらいいんでしょう?」と言われてしまう。

初任の先生なら、返答に詰まってしまう。

家庭学習のやり方を学校で教える

一つの方法として、「授業の最初10分でやる事を固定化」し、それと同じ事を家でもやってもらう。たとえば、

①漢字学習→漢字スキルのお手本を見て、習った漢字をていねいに漢字練習帳に「写し書き」する。回数はていねいに書ける回数を自分で決める。雑に書かない。家の人に見せて花丸をもらう。

②音読→教科書や音読集を開き、家の人に聞いてもらう。最初は「一人読み」。読む量は自分で決める。次は一人読みしたところを家の人と「ひとまる交代読み」(※句点交代読み)する。

これはyossiiの国語授業最初の10分の固定メニューとほぼ同じ。

①の部分は、学校では画数を唱えながら机の上に何度も「指書き」をし、書けるようになったら漢字スキルに「なぞり書き」「うつし書き」させている。家庭では、うつし書きの部分だけを「家庭学習」のメニューとして行う事にするわけだ。

②も同様。①が終わった子は、学習中のページを開いて一人読みを始める。読み終わると、題名のわきに鉛筆の太さくらいの○が縦に十個書いてあるので、それを一つ塗る事になっている。家庭でも全く同じように行う。ひとまる交代読みは、教室でも行っているが、家庭ではお母さん、お父さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんなど、自分より年上の人なら誰でも構わない。読む量は1ページ程度なら無理がない。家に弟、妹しかいない場合は、読み方を教えながら弟、妹に読んでもらうのもありだろう。交代読みが終わったら、○を1つ塗り、一緒に読んでもらった家族のサインも○の横に書いてもらうと励みになる。

宿題なしで学力保証する

ここまでできたら十分だろう。学校ができる事はここまで。「家庭学習チェック表」みたいなものを作って提出させたければやってもいいのかも知れない。

「家にカレンダーがあるでしょ?それに○とか☆とか花丸とか、自分で付けるといいよ。」

夜遅く帰宅する保護者もいる。それまでの時間は、子供だけで過ごしていたり、学童保育などの一時預かり施設で過ごしている事もある。そうなると、家庭学習の主体は一体誰なのか?

疲れた体を引きずって帰宅し、それから宿題プリントや音読などいちいち面倒を見てられないだろう。ならば、無理のない範囲で。子供が自主的にできる範囲の事を少しでもやらせれば十分すぎるだろう。

一番いいのは、宿題など課さなくても、学校で責任をもって(漢字書き取りなら8割程度書ける)一定程度の学力を付けてやれるようにする事だ。

痛快!「宿題」は学校管理下の課題ではない はこちらから

最新版【授業の百科事典】リンク集データの入手は【ヨッシー’s STORE】へ