「成績集計シート」の集計方法、まちがっていませんか?「加重平均」で出さないと不公平
100点満点と50点満点「満点」の重みは同じか?
テストをし、点数を控え、平均点を出す。平均点が高い方から順に3段階評定する。AとBの区切り、BとCの区切りの点数で悩むかもしれない。とはいえ、平均点の分布を見れば、「点数の谷間」が見えてくる。それを見ながら「90点」以上はA、「50点」未満はCのように基準を決めて振り分ける。
そうやって一段落したところで、ふと疑問が沸いた。
「100点満点と50点満点。同じ満点でも、価値は同じなのか?」
A 100点満点のテストで100点。50点満点テストは50点。
B 100点満点のテストで100点。50点満点テストは40点。
C 100点満点のテストで90点。50点満点テストは50点。
Aは合計150点満点で150点。これはB、Cよりも上だ。
一方のBとC。合計点数はいずれも140点だが、差はないのか?
条件の違う数字の比べ方
このような場合、満点の点数が違うのだから、
(1)「50点満点の点数を100点満点に換算」して比べたらいいのではないか?と思いつく。
つまり、
B 50点満点の40点→100点満点で80点に換算 100点+80点=180点
C 50点満点の50点→100点満点で100点に換算 90点+100点=190点
合計するとCの合計点数が上だから「Cの方が成績が上」となる。
逆に、
(2)「100点満点の点数を50点満点に換算」してみると、
B 100点満点の100点→50点満点で50点に換算 50点+40点=90点
C 100点満点の90点→50点満点の45点に換算 45点+50点=95点
これもCの合計点数が上なので、「Cの方が成績上位」ということになる。
さて、これでいいのか?
(1)も(2)も、「満点点数」という「条件」が違うから、それを「揃えて」比較するという考え方は正しい。だが、「揃え方」がまちがっている。
(1)(2)は、100点満点、50点満点に換算する=「得点率」で比較している。
しかし100点満点の100点は、50点満点の50点と比べ、「倍の重み」がある。
「100m走と50m走」のタイムに例えるなら、
D 100m=10秒 50m=4.5秒
E 100m=9秒 50m=5秒
DとEの50mタイムを「100m換算」して合計を出すと、どちらも19秒。
Eは50mのタイムでは劣るが、100mのタイム「100m9秒」は50mのタイムよりも価値があり、重たい数字だ。
このように「重みの違う数字」を比べるためには、点数に得点の重み(比率、倍率)を掛け加えて計算して出した「加重平均」の考え方が必要になる。
加重平均の出し方
B 100点満点テスト=100点。50点満点テスト=40点。
素点×満点点数→100点×100点満点+40点×50点満点=12000
満点点数の合計→100+50=150
加重平均→12000÷150=80
C 100点満点テスト=90点。50点満点テスト=50点。
素点×満点点数→90点×100点満点+50点×50点満点=11500
満点点数の合計→100+50=150
加重平均→11500÷150≒76.7
「加重平均」を使えば、「50点満点の素点よりも100点満点での素点が重視される」という妥当な結論が導かれる。
エクセルでシートを作るなら、次のような表を作成して入力するといい。
A | B | C | D | E | F | G | |
氏名 配点 | 100 | 100 | 50 | 素点合計 | 素点×配点合計 | 配点合計 | 加重平均 E÷F |
あ | 100 | 100 | 50 | 250 | 22500 | 250 | 90 |
い | 100 | 100 | 40 | 240 | 22000 | 250 | 88 |
う | 100 | 90 | 50 | 240 | 21500 | 250 | 86 |
え | 100 | 90 | 40 | 230 | 21000 | 250 | 84 |
お | 90 | 90 | 50 | 230 | 20500 | 250 | 82 |
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