知っておきたい「テスト採点技術」
微差が大差を生むテスト採点「技術」
テストを解き終えた子から持ってこさせ、目の前でマルを付けていく。
一人目の子は満点。100の下に下線を付し、答えを付けて返却。直後に点数記録簿に印を付けている。
二人目の子は、4問目をまちがえていたが、この先生は×を付け、点数欄に95と点数の下に下線を付して点数欄に書き込み、テストの答えと一緒に児童に返却。記録簿にはおそらく95と書き込んでいる。
テストを受け取った児童は、自席に戻り、間違えたところを答えを見ながら直し、再提出しに来る手はずになっていると思われる。もし次の時間にテストを返却するとなると、テスト直しをさせるためにそれなりの時間がかかってしまい、授業が遅れていく。
採点の途中で、教師は解答が記入された小さな紙を見ながら採点している。裏表をひっくり返して答えを確認している様子が見られるが、片面に裏表の解答が印刷され、裏面にパズルや補充問題などが印刷されているテストもある。この方が教師にとっても、子どもにとってもメリットがある。
100と100を使い分ける
三人目の子は裏表満点。一人目と同様、答えと一緒に返却している。
私の場合、満点の子には答えだけ渡し、テスト用紙はその場(教卓の下など)で預かっている。
というのも、採点していく中で「採点ミス」に気付く場合がある。手元に満点にしたテストを持っていれば、すぐに呼んで直してもらうことができる。
「点数表記」は、満点のテストには「100」とだけ書き、「100」と使い分けている。
下線付きの100は、間違い直しをして持ってきたテストを点検し、正しく訂正されている時に100と下線(※気分で二重下線にする時も)を付け、区別している。
丸が付かない答えの上あるいは下などには「、」や「・」「ー」などの印を赤鉛筆で付し、(ここ、ここがちがうよ)と子どもの視線を間違い部分に注目させる。子どもの表情を見ながら誤答部分や読み落としている問題文、図表などに線を引いたり、答えを薄く書き込んでやる場合もある。
そうした指導を短く行った上で、答えを一緒に付けて訂正させた後、再提出する場所に正しく直して出すようにさせている。子どもたちの大部分は、まちがった箇所を消しゴムで消して直して出す。
「赤鉛筆で直させる」というのも一つの方法だが、それは強制しない。なぜか?子どもは満点を取りたくてテストを受けている。満点で家に持って帰りたい。それなのに赤鉛筆で間違いを訂正させれば、自己肯定感が下がるに決まっている。もちろん授業中、ノートに赤鉛筆で訂正させることに意味はあるが、テストの場合、点数が悪ければ家の人に見せるどころか、そのままどこかに丸め込まれてしまう。
高いお金を払ってテストを購入してもらい、実施しているのだから、まちがった所は正しく直し、持ち帰らせ、「お前、がんばったなぁ!」と褒めてもらう。そうすれば「次は、ノーミスで満点をとるぞ!」とモチベーションを高める事ができるのだ。
「一番やってはいけないテストのさせ方」というのは、テスト後、何週間もしてからまとめてテスト直しをさせることだ。「なぜ、どうしてこんな間違え方をしたのか」という記憶が薄れた中で、なんだかわからないまま、答えを見て写すだけの「作業学習」になってしまう。
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